
ゴア殺しと呼ばれる特殊なカスタマイズについてご紹介します。
衝突安全ボディ、通称「ゴア」は、事故時に搭乗者を守るために設計された重要な構造です。キャビンの変形を防ぎ、生存空間を確保する一方で、前後の構造物で衝撃を吸収します。特に側面衝突に対しては、センターピラーやフロアクロスメンバーが重要な役割を果たします。
このゴアには穴があり、これを塞ぐことで車体の剛性が向上し、走行性能が変わります。今回のカスタムでは、これらの穴を全て塞ぐことで、足回りの動きがより明確に感じられるようになりました。
製作のポイント:
- 適切な材料選択:2.3mm厚のプレートを使用(通常の車体パネルの約3倍の厚さ)
- 入念な下地処理:既存の塗装を完全に除去し、溶接の品質を確保
- 溶接後の防錆処理:特に水分の多いフェンダー内部への対策
作業の流れ:
- 既存のゴア構造の調査と穴の特定
- プレートの設計と切り出し
- 車体の塗装除去と溶接準備
- プレートの溶接(車内の内装に注意しながら慎重に)
- 溶接部の研磨と仕上げ
- 防錆処理と塗装




特に苦労したのは、車内に近い場所での溶接作業です。内装を燃やさないよう、時間をかけて慎重に作業を進めました。また、溶接後の防錆処理も重要で、特にフェンダー内部など水分の多い場所には入念な対策を施しました。
このカスタムの結果、車体の剛性が大幅に向上し、走行時の挙動がより正確に伝わるようになりました。特にコーナリング時の安定性が向上し、ドライバーの意図がより直接的に車の動きに反映されるようになります。
ただし、この改造は車の基本構造に手を加えるため、安全性や車検への影響を十分に考慮する必要があります。専門知識と高度な技術が要求される作業ですので、経験豊富な専門店での施工をおすすめします。
ゴア殺しは、単なるカスタマイズを超えた、車両の本質的な性能向上を目指す取り組みです。走行性能を向上させる、このバランスの取れたカスタムに興味をお持ちの方は、ぜひご相談ください。あなたの愛車の潜在能力を最大限に引き出すお手伝いをいたします。