
エンジンのパフォーマンスを向上させる方法は様々ありますが、今回ご紹介するのは、クランクプーリーの軽量化というカスタマイズです。この改造は単なるパフォーマンス向上だけでなく、重要なメンテナンスの側面も持ち合わせています。
クランクプーリーは定期的なメンテナンスが必要な部品です。
その主な理由はゴムの劣化によりバランスウェイトとプーリーが剥離し、エンジンの動力が各部に伝えられなくなり、機能が停止してしまうのを防ぐためです。一般的に15〜20万キロ走行ごとにゴムを交換することが推奨されています。
今回は、このメンテナンスのタイミングに合わせて部品交換と軽量化を行いました。具体的には、1JZ用チェイサーのクランクプーリーを2JZ用スープラのものに交換することで、なんと800gもの軽量化に成功しました。
クランクプーリーはエンジンの最前端、つまり回転モーメントが最も大きい位置にあります。ここを軽量化することで、エンジンの回転抵抗が大幅に減少し、アクセルレスポンスが向上します。同じ機能を保ちつつ、エンジンの特性を大きく変えられるカスタマイズです。
作業のポイント:
- タイミングベルト交換のタイミングを狙う(解体が一回で済むので効率的)
- 適切な交換部品の選択(今回は2JZ用スープラのプーリー)
- 強固に締め付けられたプーリーの取り外し
作業の流れ:
- エンジンの準備(ベルトカバーの取り外しなど)
- 既存プーリーの取り外し(330Nの締め付けトルクに注意)
- 新プーリーの取り付け
- テスト運転と確認


特に苦労したのは、330Nという強大なトルクで締め付けられた既存プーリーの取り外しです。専用工具の使用や、場合によっては熱を加えるなどの特殊な技術が必要となることもあります。

クランクプーリーの軽量化により、エンジンの応答性が飛躍的に向上します。特に低回転域での加速感が改善され、街乗りから高速走行まで、全ての場面でより軽快な走りを楽しめるようになります。
ただし、この改造はエンジンの基本特性に関わる部分ですので、車両の使用目的や他の部品とのバランスを十分に考慮する必要があります。また、適切な部品選択と正確な取り付けが不可欠ですので、経験豊富な専門店での施工をおすすめします。
クランクプーリーの軽量化は、タイミングベルト交換という必要なメンテナンスと同時に行えば効率的です。
エンジンの応答性向上にご興味のある方は、次回のタイミングベルト交換時にぜひご検討ください。あなたの愛車の潜在能力を引き出し、より楽しい走りを実現するお手伝いをいたします。